2015年04月07日 10:36
東近江市体験交流型旅行協議会が受け入れる教育旅行の中学生の中にもアレルギーを持つ子どもたちがいることから、3月28日(土)に「アレルギーの基礎知識講演会」を開催しました。
食物にアレルギーを持つ子どもや成人が増えている中で、食物アレルギー症状やアナフィラキシーの予防や対応についての知識や理解が重要になってきています。
講師は、NPO法人アレルギー支援ネットワークの中西里映子常務理事にお願いしました。アレルギーに悩む親子のための啓発活動に奔走しておられる方です。
受け入れの民泊家庭のみなさまに限定せずに公開講座としました。
以下、講演から、アレルギーを持つ生徒さんの民泊家庭となるときに気をつけたいことをメモしました。
食品表示をよく確認して、アレルギーの原因となる食品の過食に気をつける。
このとき、容器包装されていない商品の場合、アレルギー物質を含む食品の原材料表示義務がないので注意。
また、表示義務以下の抗原濃度のために表示されていないことがある。摂取量が多いとアレルギー症状が誘発される可能性があるので注意。
「これくらいなら食べても大丈夫」というような、思い込みや安易な判断をしないこと。
アナフィラキシーショックは、個人により症状の出る食べ物の量は異なるが、最も重症な食物アレルギーの場合、2リットルの水に牛乳3~4滴を加えた程度の濃度でも起こりうる。
重症の場合は、軽くしか洗わなかったコップやスプーンを使ったことや注入口が1つの自販機で買った飲み物を飲んだことから症状が出ることもある。
外食をしているかどうかがポイントとなる。外食に慣れているようなら、専用の調理場や調理器具でなくてもこれまで大丈夫だったということ。
運動によって誘発される食物依存性運動誘発アナフィラキシーがある。(原因物質は甲殻類と小麦がほとんど)
原因物質を摂取後2時間以内の運動を避ける。
加工品には注意。
ピーナッツは、タレやドレッシングの隠し味に使われることがある。
甲殻類(エビ、カニ)は加工品にエキスとして使われることがある。
味付け肉にも注意。
今まで食べたことがない食品は食べさせない。
「食べなければ大丈夫」ではない。
そばのアレルギーがある場合は、そば殻枕を使用しない。
そば打ちやうどん作りなど粉が舞う場所も避ける。
小麦粘土でアレルギーが出たことも。
また、エピペンの使い方について、針の出ないエピペントレーナーで練習しました。
(エピペンは、アナフィラキシーの症状の進行を一時的に緩和してショックを防ぐための補助治療剤であるアドレナリン自己注射液です。)
「アレルギー」は、よく聞く言葉で身近なように思いますが、原因となる食品がいろいろあり、それぞれに特徴があること、また発症の具体例を聞くと知らないことが多く、気をつけなくてはと再認識しました。
事故を防ぎ大切な命を守るためには、正しい知識を身につけ、万が一に備える必要がある、と開催した講習会でしたが、参加されたそれぞれの方の安心に少しでも役立つなら幸いです。